建設工事事故データベース がデータ公開されています。国土交通省は、建設工事事故防止に向けてさまざまな取組を行っております。建設工事事故防止に向けた対策の検討・立案に活用していただくため、建設工事事故データベースの事故データを一般に公開します。
建設工事事故の件数については、減少傾向ですが、件数の下げ止まり及び過去と同様の事故が繰り返し発生している状況です。特に中小企業など工事件数の少ない企業では、工事事故経験の蓄積が難しく、現場の安全性向上に役立つデータが求められています。
国土交通省は、令和元年度から令和4年度に地方整備局・都道府県・政令市で発生した建設工事事故約1,600件の建設工事事故データを一般公開しています。
建設工事事故データ
建設工事事故データは、下記の項目で構成されています。
- 工事分野
- 工事の種類
- 工種
- 工法・形式名
- 災害分類
- 事故分類
- 天候
- 事故発生年・月・時間
- 事故発生場所(都道府県)
- 事故に至る経緯と事故の状況
- 事故の要因(背景も含む)
- 事故発生後の対策
具体的にはこのように記載されています。
- 工事分野
道路 - 工事の種類
土木一式 - 工種
コンクリート構造物工事 - 工法・形式名
橋梁下部工(橋台、橋脚) - 災害分類
労働災害 - 事故分類
墜落 - 天候
曇り - 事故発生年・月・時間
2019年4月7時 - 事故発生場所(都道府県)
徳島県 - 事故に至る経緯と事故の状況
鋼管矢板中掘圧入を作業中に鋼管矢板内の掘削を終えてクレーンの主巻でスクリュードライバを、補巻で吊りシーブを同時に巻き上げていたところ、突然滑車が横方向に動いて仮桟橋上から滑り落ち被災者は固定シーブとともに仮桟橋から水中に転落し負傷した。 - 事故の要因(背景も含む)
固定シーブの滑動に対する抵抗の検討は実施していたが、クレーンのブームが倒れた条件の悪い状態での照査が不十分であり、今回施工していた鋼管井筒矢板がクレーンより最も遠方かつ深度が条件の悪い箇所であったため、抵抗力より大きな横方向力が作用して横滑りした。固定シーブの固定が不十分であった。作業手順にない作業をした。 - 事故発生後の対策
仮桟橋上の固定シーブに対して条件の悪い場合を想定した照査を実施し、仮桟橋上から動かないように、クレーンの捕巻吊り荷重のリミッターが作動する値を十分カバーできるようウエイトを増量し、更に2重の対策として仮桟橋上の固定シーブをレバーブロックで覆工板の吊り穴に固定してスクリュードライバーの巻き上げ作業中は仮桟橋上の固定シーブに近寄ることを禁止し巻き上げ完了後にオペレータからの合図を確認後仮桟橋上の固定シーブの滑車のレバーブロックを解除する。
建設工事事故データ 活用
建設工事事故データは、エクセルファイルに記載されています。
自社の業種や現場を検索すれば、発生しそうな建設工事事故を見つけることもできるのではないでしょうか。事故に対応する要因や対策をもとに、自社の安全対策を検討できます。
このような建設工事事故データは積極的に活用しましょう。
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