今年から、外国人受入企業の基準が緩和されています。 特定の政府認定をうけるとビザ取得で有利となるカテゴリー1に該当することになります。
【一定の基準を満たす企業】として、
厚生労働省が所管する「安全衛生優良企業」があります。今回のブログでは、安全衛生優良企業への申請手続を中心に解説します。
安全衛生優良企業
「安全衛生優良企業公表制度」は、労働安全衛生に関して積極的な取組を行っている企業を認定・企業名を公表し、社会的な認知を高め、より多くの企業に安全衛生の積極的な取組を促進するための制度です。
企業も求職者や取引先などへのアピールに活用することができ、求職者も安全・健康な職場で働くことを選択することができます。
「安全衛生優良企業公表制度」は安全・健康で働きやすい職場をより増やしていくために、2015年6月より、申請の受付を開始しました。
安全衛生優良企業とは
安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。
この認定を受けるためには、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取組を行っていることが求められます。
安全衛生優良企業の認定を受けるには
申請先
各都道府県の労働局
認定基準
安全衛生優良企業認定の基準は、過去3年間の労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、
労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理などの分野で、積極的な取組を行っていることが必要になります。
安全衛生優良企業になるには、すべての事業場を含む企業全体で、基準を満たさなければなりません。
安全衛生優良企業認定基準の第1、第2の必要項目
以下の項目をすべて満たす必要があること
労働安全衛生法等の違反の状況
- 過去3年以内に労働基準関係法令の違反で送検されていないこと
- 過去3年以内に労働関係法令に重大な違反が認められたことにより、行政機関から企業名の公表又は認定の取消しをされていないこと
- 労働安全衛生法第 98 条に基づき、労働基準監督署長等から機械・設備の使用停止命令、作業の停止命令を受けたものがある場合には、現在、その改善措置を講じていること、又は命令が解除されていること
- 現在、労働安全衛生法令の重大な違反についての是正指導を受けたものについて、改善がなされていない事実がないこと
- 過去3年以内に長時間労働等に関する重大な労働基準関係法令の同一条項に複数回違反したことがないこと
- 過去3年以内に違法な長時間労働を繰り返し行う企業の経営トップに対する都道府県労働局長による是正指導の実施に基づき企業名が公表されていないこと
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律に定められた労働保険料を直近2年度について滞納の事実がないこと
労働災害発生等状況(派遣労働者を含む)
- 過去3年以内に法令違反による死亡災害又は障害等級7級以上に相当する重篤な労働災害を2件以上発生させていないこと
- 過去3年間の全ての年において、企業の同一業種の事業場(厚生労働省の公表する労働災害動向調査において度数率が公表されている業種の事業場に限る)ごとに休業1日以上の労働災害の発生率が、同業種の平均発生率(度数率)を下回っていること
- (有機溶剤業務等特殊健康診断の対象業務がある場合)過去3年間の全ての年において、特殊健康診断の有所見率が全国平均を下回っていること
- (有機溶剤業務等作業環境測定の必要な業務がある場合)過去3年間、作業環境測定を単位作業場所ごとに実施していること。また、その結果、第3管理区分と評価された単位作業場所がないこと、又は、あった場合には、当該単位作業場所の翌回の測定において第3管理区分以外に改善されていること
- 直近事業年度において、企業内の労働者の労働時間の状況が次を満たすこと
・雇用する労働者(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条に規定する短時間労働者を除く。)の1人当たりの各月ごとの時間外労働及び休日労働の合計時間数が、各月ごとに全て45時間未満であること
・雇用する労働者であって、平均した1月当たりの時間外労働時間が60時間以上であるものがいないこと
その他優良企業として満たしていることが必要な状況
- 過去3年間の企業活動において、「安全衛生に関する優良企業」としてふさわしくない問題を生じさせていないこと
- 過去2年間に「安全衛生優良企業認定取消基準」に該当することが確認され、認定が取り消されたことがないこと
- 過去3年間に安全衛生優良企業認定マーク、呼称等の不正使用がないこと
安全衛生の実施体制の取組
- 各事業場(10 人以上の事業場)に従業員の健康や安全を担当する組織があるか、又は担当者を置いているか、また、企業本社には、全社的な健康や安全を担当する組織又は担当者を置いていること
- 従業員の健康や安全を担当する組織又は担当者は、労働災害の発生状況や各種の安全衛生に関する計画の実施状況を継続的に把握し、問題点があった場合には、事業場内(企業内)で情報を共有した上で、必要な対策を検討するようになっていること
- 各事業場に健康や安全に関する責任者を任命していること
安全衛生全般の取組
- 企業のトップが従業員の健康や安全の確保を重視する方針を明文化していること
- 明文化した従業員の健康や安全の確保を重視する方針を従業員に周知、共有していること
- 全社的な従業員の健康や安全の取組についての計画策定や見直しの際に従業員(従業員の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては、労働者の過半数を代表する者)の意見を反映させていること
- 企業のトップ(幹部)に次の項目について報告していること
ア 企業全体の労働災害の発生状況(労働災害が発生している場合)
イ 発生した労働災害の再発防止対策(労働災害が発生している場合)
ウ 各種安全衛生に関する計画の進捗状況
エ 企業全体の労働時間の状況
オ 企業全体の従業員の健康状況
次の項目について、従業員が容易に状況を知ることができるようになっていること
ア 企業内の労働災害の発生状況(労働災害が発生している場合)
イ 発生した労働災害の再発防止対策(労働災害が発生している場合)
ウ 各種安全衛生に関する計画の内容及び進捗状況 - また、次の事項については、従業員ごとに、情報を通知していること
エ 従業員ごとの労働時間の状況
オ 従業員ごとの健康診断の結果 - 安全衛生教育に関する実施計画を策定し、実施していること(労働安全衛生法に定める雇入れ時教育や特別教育も含む)
- 厚生労働省のあんぜんプロジェクトに参加するなど、自社の安全衛生の取組の見える化(外部に公開)を行っていること
安全衛生優良企業認定基準の第3の評価項目
一定以上の評価点を得ることが必要です。
安全衛生優良企業のメリット
- 認定マークの使用が可能
- ビザ取得で有利となるカテゴリー1に該当
外国人雇用以外のところでも、メリットが大きいです。
業務上事故の多い建設業界だからこそ、是非ご検討いただいて、優秀な日本人・外国人技術者の雇用につなげていきましょう。
行政書士として、建設業許可の専門家であり入管取次資格を有する外国人雇用の専門家であるだけでなく、
安全衛生優良企業認定のお手伝いもさせていただきます。