建設業の現場で外国人労働者は目立ちます。現場管理者から聞かれる大きな課題は日本語でのコミュニケーション。 日本語能力試験合格者 は日本語のスキルを証明してくれますね。
技能実習の在留資格で働く外国人は日本語の講習を2か月程度(入国前+入国後)受けた程度です。日本語でのコミュニケーションがスムーズにいかない前提での仕事の進め方を考えましょう。
日本語学校に通えばみんな日本語を流暢に操れるかというと、そうでもないのも現実です。
日本語学校の 日本語能力試験合格者 数
日本語学校では、高校卒業レベルの外国人がおおむね2年間日本語を学び、その後、大学進学や就労します。
大学進学や就労ビザ取得に際しては、日本語能力試験のN1ないしはN2に合格していることが期待されます。
日本語能力試験N2に合格した生徒の割合
日本語能力試験N2に合格した生徒の割合 16.7%
東京都内で資料が公開されていた152の日本語学校のデータから N2合格者人数を総在籍者数で割ったもの。2年間コースが多いので、合格率としては倍掛けしてとらえるべきものです。
日本語学校における日本語能力試験合格者の割合
全体の3分の2の日本語学校で日本語能力試験N2に合格した生徒の割合が2割を下回っていることがわかります。
全体の2割の日本語学校では、日本語能力試験N2に合格した生徒がいないこともわかります。
実績が不十分な日本語学校を批判することはこの記事の本旨ではありません。
一方で、日本語能力試験合格者の割合が高い日本語学校の状況に注目します。
日本語能力試験合格者 の割合が高い日本語学校 Best 10
日本語学校における日本語能力試験合格者の割合の上位10校を日本語学校はどんな学校なのか。
- 明晴国際語学院
2015年開設。在籍者数51人。2年未満のコースで48人。在籍者のうち中国人が7割。55%が大学進学。就職先は病院が目立ちます。
東京都福生市武蔵野台1-5-10
- 公益財団法人アジア学生文化協会
1987年開設。在籍者数211人。2年未満のコースのみ。在籍者のうち中国・台湾が26%、マレーシアが64%。45%が大学進学。就職はなく、他は専門学校などへ。
東京都文京区本駒込2丁目12番地13号
- 行知学園第二附属日本語学校
2017年開設。在籍者数7人。データが足りませんでした。
東京都杉並区下高井戸2-10-3 プラザ・ローヤル5ビル 2階
- ジェット日本語学校
1988年開設。2年未満のコースのみ。台湾人が多い。大学進学、就職が2割ずつ。4割程度が卒業後帰国します。
東京都北区滝野川7-8-9
- 亜細亜友之会外語学院
1990年開設。在籍者数273人。2年コースも3割程度。在籍者はすべて中国人。4分の1が大学進学で、半分は専門学校進学で、就職はなし。
東京都北区王子2-23-1
- YMCA東京日本語学校
1990年開設。在籍者数83人。在籍者のうち中国・台湾が6割。卒業生のうち約半数が帰国。
東京都千代田区神田猿楽町2-5-5
- 東京言語教育学院
2001年開設。在籍者数444人。2年コースも4割。在籍者はすべて中国人。4割が大学進学、その半分は大学院。就職はなし。
東京都江戸川区平井5-23-7
- 東京国際大学付属日本語学校
1987年開設。在籍者数414人。国籍は幅広く、卒業後の進路も、大学、専門、就職、帰国と幅広い。
東京都新宿区高田馬場 4-23-23
- グレッグ外語専門学校日本語科
1978年開設。在籍者数10人。データが足りませんでした。定員の充足率の低い日本語学校も目立ちます。
東京都目黒区自由が丘1丁目14−6
- 学校法人長沼スクール 東京日本語学校
1949年開設。在籍者数535人。国籍は幅広く、卒業後の進路も、大学、専門、就職と幅広いものの、帰国が4割。
東京都渋谷区南平台町16-26
実際にこれから取材などして、外国人労働者の日本語能力向上への知見を深めてまいります。
データ出典:
文部科学省「日本語教育機関における外国人留学生への教育の実施状況」(平成29年度)
文部科学省「日本語教育機関における外国人留学生への教育の実施状況」では、国内で外国人留学生が日本語学習を行うことができる機関が、近年、学校数や学生数とも大幅に増加している状況を踏まえ、外国人留学生が我が国で日本語を学ぶ機関を探す際の参考となる情報として、日本語教育機関の教育の実施状況について公表されています。