報酬を得て建築物の設計や工事監理などを業として行うには、建築士事務所の登録が必要です。建設業者が、請負の一環として設計などを行う場合も、建設業許可とは別に登録が要ります。事務所ごとに、専任の管理建築士を置く必要があります。東京都では、東京都建築士事務所協会が登録の事務を行っています。登録の有効期間は5年で、手数料は1級建築士事務所で23,500円です。
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建築士事務所の登録が必要な場合
建築士や、建築士を使う人が、他人の求めに応じ報酬を得て「設計等」を業として行うときは、都道府県知事の登録を受けます(e-Gov法令検索:建築士法第23条)。「設計等」に当たる業務を、次の表にまとめます。
| 設計等に当たる業務 | 例 |
|---|---|
| 建築物の設計 | 設計図書をつくる |
| 工事監理 | 工事を設計図書と照らし合わせて確かめる |
| 建築工事契約に関する事務 | 建築主のために工事の契約の事務をする |
| 建築工事の指導監督 | 工事の指導や監督をする |
| 建築物に関する調査・鑑定 | 建物の調査や鑑定をする |
| 建築に関する法令・条例の手続の代理 | 建築確認の申請を代理する |
建設業者が請負の一環として、事実上の設計等を業として行う場合も、建設業の許可のほかに登録が必要です(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P2)。登録を受けずに設計等を業として行うことは、禁止されています(e-Gov法令検索:建築士法第23条の10)。
登録は、建築士事務所の所在地の都道府県ごとです。支店や営業所で設計等を行うなら、その事務所ごとに登録を受けます(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P3)。
管理建築士を置く
建築士事務所には、事務所を管理する専任の建築士(管理建築士)を置かなければなりません(e-Gov法令検索:建築士法第24条)。管理建築士の要件と注意点を、次の表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建築士の種類 | 1級建築士事務所は1級建築士、2級は2級建築士、木造は木造建築士 |
| 経験と講習 | 建築士として3年以上の設計等の業務に従事したあと、管理建築士講習を修了している |
| 専任 | 事務所に常勤し、もっぱら管理建築士の職務を行う |
| 兼務 | 1人の建築士が、複数の事務所の管理建築士になることはできない |
| 派遣 | 派遣労働者は、管理建築士になれない |
| 不在になったとき | 廃業の事由に当たり、30日以内に廃業等の届出が必要 |
専任と兼務、派遣、不在の扱いは、東京都建築士事務所協会の手引きにあります(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P2)。管理建築士は、受託する業務の量や担当する建築士の選定など、技術的な事項を総括します(e-Gov法令検索:建築士法第24条第3項)。
東京都の申請先と、登録の流れ
東京都では、都内の建築士事務所の登録の事務を、一般社団法人東京都建築士事務所協会が行っています。協会は、東京都が指定した指定事務所登録機関です(東京都都市整備局:指定事務所登録機関の指定について)。申請は、協会の登録センターに出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 一般社団法人東京都建築士事務所協会 登録センター(新宿区新宿五丁目) |
| 出し方 | 窓口に持参、郵送、オンライン申請 |
| 受付時間 | 平日の午前9時〜午後5時(入金のある手続は、終了の30分前までに来所) |
| 流れ | 提出 → 仮審査 → 手数料の納入 → 受理 → 本審査 → 登録 → 登録の通知 |
| 期間 | 新規の登録は、受理後おおむね5日から10日程度 |
流れと期間は、協会の手引きのP1・P4・P6にあります(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月))。最新の案内は、東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録で確認できます。
必要書類(法人の場合)
法人が新規・更新の登録を申請するときの主な書類を、次の表にまとめます(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P7)。
| 書類 | 注意点 |
|---|---|
| 建築士事務所登録申請書、所属建築士名簿、役員名簿 | 所属建築士名簿は管理建築士を筆頭に全員を書く |
| 業務概要書 | 直近5年間の主なもの(新規申請では不要) |
| 略歴書(登録申請者・管理建築士)、誓約書 | 登録申請者が管理建築士を兼ねるなら略歴書は兼用 |
| 定款の写し | 事業目的に「建築物の設計・工事監理」などがあるもの |
| 履歴事項全部証明書の写し | 3か月以内のもの |
| 事務所の賃貸借契約書の写しなど | 事務所の所在地が登記にあれば不要 |
| 決算期の確認資料 | 法人都民税・法人事業税の領収証書の写しなど |
| 管理建築士の住民票の写し、建築士免許証の写し、管理建築士講習の修了証の写し | 住民票は個人番号の記載のない3か月以内のもの |
| 管理建築士の専任の証明 | 健康保険の資格証明書、標準報酬決定通知書の写しなど |
健康保険被保険者証の写しは、令和7年12月2日以降、専任の証明に使えません(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P9)。バーチャルオフィスでは登録できません(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P9)。
登録手数料
東京都の登録手数料は、令和7年4月1日から改正されました。金額を、次の表にまとめます(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P4)。
| 手続 | 手数料(新規・更新とも) |
|---|---|
| 1級建築士事務所の登録 | 23,500円 |
| 2級建築士事務所・木造建築士事務所の登録 | 22,200円 |
| 登録証明書の発行 | 1通400円 |
窓口は現金、郵送とオンライン申請は銀行振込やクレジットカード決済などで納めます(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P4)。登録証明書の手数料は、東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録にあります。
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登録のあとの手続と、開設者の義務
登録を受けたあとも、期限のある手続や、開設者の義務があります。主なものを、次の表にまとめます。
| 手続・義務 | 期限・内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 更新 | 有効期間は5年。満了日の30日前までに申請(協会は60日前から受付) | 建築士法第23条、協会の手引きP3 |
| 変更届(名称・所在地、役員、管理建築士など) | 変更から2週間以内 | 建築士法第23条の5第1項 |
| 変更届(所属建築士) | 変更から3か月以内 | 建築士法第23条の5第2項 |
| 廃業等の届出 | 廃止などから30日以内 | 建築士法第23条の7 |
| 設計等の業務に関する報告書 | 毎事業年度が終わってから3か月以内 | 建築士法第23条の6 |
| 重要事項の説明 | 設計・工事監理の契約の前に、建築士が書面を交付して説明 | 建築士法第24条の7 |
| 書面の交付 | 契約を結んだら、遅滞なく書面を交付 | 建築士法第24条の8 |
| 標識の掲示 | 事務所の見やすい場所に掲げる | 建築士法第24条の5 |
条文は、e-Gov法令検索:建築士法で確認できます。更新の申請をしないと、登録は抹消されます(東京都建築士事務所協会:建築士事務所登録申請と変更等の手引き(令和8年8月)P3)。
建設業とあわせて必要な許認可の記事
建設業とあわせて必要になる許認可について、次の記事で説明しています。
建築士事務所の登録のよくある質問
建設業の許可があれば、建築士事務所の登録は要りませんか?
要ります。建設業者が請負の一環として設計等を業として行う場合も、建設業の許可のほかに建築士事務所の登録が必要です。
どんな業務をすると、登録が必要ですか?
報酬を得て、設計や工事監理などを業として行う場合です。工事契約の事務、工事の指導監督、建物の調査・鑑定、建築の手続の代理も含みます。
東京都の登録は、どこに申請しますか?
東京都が指定した、一般社団法人東京都建築士事務所協会の登録センターに申請します。持参・郵送・オンラインで出せます。
管理建築士には、だれがなれますか?
建築士として3年以上の設計等の業務に従事したあと、管理建築士講習を修了した建築士です。事務所に専任で置きます。
登録の手数料はいくらですか?
東京都では、1級建築士事務所が23,500円、2級・木造建築士事務所が22,200円です(令和7年4月1日から)。
登録にどのくらいかかりますか?
新規の登録は、受理後おおむね5日から10日程度です。
登録の有効期間は何年ですか?
5年です。引き続き業務を行うなら、満了日の30日前までに更新の登録を申請します。
管理建築士が辞めたら、どうなりますか?
管理建築士が不在になると廃業の事由に当たり、30日以内に廃業等の届出が必要です。後任を置けるよう早めに準備します。
支店でも設計をする場合は、どうしますか?
設計等を行う事務所ごとに、建築士事務所の登録を受けます。
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このページの監修者
| 氏名 | 岡 高志(おか たかし) |
|---|---|
| 資格 | 行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第11080007号) |
| 登録の確認 | 登録番号は日本行政書士会連合会の会員検索で照合できます |
| 事務所 | 岡高志行政書士事務所(2011年開業) |
| 制度情報の時点 | 2026年10月時点の法令・手引きに基づきます |
| 詳しい経歴 | 運営者情報 |



