解体・改修工事の石綿(アスベスト)対策|事前調査・報告・届出・掲示の義務を元請業者向けに解説

建物などの解体・改修工事では、規模にかかわらず、工事の前に石綿(アスベスト)の有無を調べる事前調査が必要です。建築物の事前調査は、令和5年10月から、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が行います。一定規模以上の工事は、事前調査の結果を電子システムで報告します。元請業者は、調査の結果を発注者に書面で説明し、現場に掲示します。石綿の除去などをする工事は、14日前までの届出が必要な場合があります。

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解体・改修工事で必要な石綿の手続

石綿の決まりは、大気汚染防止法と、労働安全衛生法にもとづく石綿障害予防規則にあります。元請業者が行う主な手続を、次の表にまとめます。

手続内容根拠
事前調査工事の前に、設計図書などの書面と目視で、石綿の有無を調べる大気汚染防止法第18条の15、石綿障害予防規則
発注者への説明調査の結果などを書いた書面を交付して、発注者に説明する大気汚染防止法第18条の15第1項
結果の報告一定規模以上の工事は、調査の結果を電子システムで報告する大気汚染防止法第18条の15第6項、石綿障害予防規則
記録・掲示調査の記録を作って保存し、現場に備え置き、結果を公衆に見やすく掲示する大気汚染防止法第18条の15第3項・第5項
作業の届出石綿の除去などの作業を伴う工事は、作業開始の14日前までに届け出る大気汚染防止法第18条の17、石綿障害予防規則
完了の報告石綿の除去などの作業が終わったら、結果を発注者に書面で報告する大気汚染防止法第18条の23

条文は、e-Gov法令検索:大気汚染防止法で確認できます。発注者には、調査の費用を適正に負担するなどして、調査に協力する責任があります(同法第18条の15第2項)。

事前調査

解体・改修工事では、規模の大小にかかわらず、工事の前に、作業に関わる部分のすべての材料について、石綿の有無を調べます。事前調査の要点を、次の表にまとめます(厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト(元請業者向け))。

項目内容
調べ方設計図書などの書面による調査と、目視による調査の両方(令和3年4月から)
調べる人(建築物)建築物石綿含有建材調査者講習の修了者など(令和5年10月から)
調べる人(工作物)一定の要件を満たす人(令和8年1月から)
記録調査の結果の記録を作り、3年間保存する。作業場所に備え付ける
掲示調査の結果の概要を、周辺住民と作業者の見やすい場所に掲示する(A3以上)

事前調査の結果の掲示は、石綿の有無や届出の対象かどうかにかかわらず、すべての解体等工事で必要です(厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト(元請業者向け))。

事前調査の結果の報告

一定規模以上の工事は、事前調査の結果を、石綿事前調査結果報告システムで報告します(令和4年4月から)。報告の対象を、次の表にまとめます(厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト(元請業者向け))。

工事報告の対象になる規模
建築物の解体工事解体部分の延べ床面積が80㎡以上
建築物の改修工事請負金額が100万円以上

複数の業者が同じ工事を請け負っている場合は、元請業者が、協力会社の分もまとめて報告します。報告は、厚生労働省:石綿事前調査結果報告システムから行います。

石綿の除去などの作業をするとき

石綿を含む建材の除去などの作業をする場合は、事前の届出や、作業後の確認が必要です。主なものを、次の表にまとめます。

手続内容根拠
大気汚染防止法の届出石綿を多く飛散させる建材の作業を伴う工事は、発注者が作業開始の14日前までに都道府県知事に届け出る大気汚染防止法第18条の17
労働基準監督署への計画の届出石綿を含む保温材などの除去工事は、吹き付け石綿の除去と同じく14日前までに届け出る石綿総合情報ポータルサイト
取り残しの確認除去が終わって隔離を解く前に、資格者が石綿の取り残しがないことを確かめる石綿総合情報ポータルサイト
発注者への完了報告作業の結果を、遅滞なく発注者に書面で報告し、記録を保存する大気汚染防止法第18条の23

労働基準監督署への届出と取り残しの確認は、厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト(元請業者向け)で案内されています。作業の方法の基準は、石綿の種類や作業の内容によって違うため、届出の前に確かめます。

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解体工事に必要な許可・登録

石綿の手続とは別に、解体工事を請け負うには、建設業許可か解体工事業登録が必要です。必要なものを、次の表にまとめます。

状況必要なもの
1件500万円以上(消費税込み)の解体工事解体工事業の建設業許可
500万円未満の解体工事だけ(土木・建築・解体工事業の許可なし)建設リサイクル法の解体工事業登録
土木工事業・建築工事業・解体工事業の許可がある登録は不要

どちらが必要かは、解体工事の許可と登録の判断の記事で説明しています。登録の手続は、解体工事業者登録の記事をご覧ください。

解体工事の記事

解体工事について、次の記事で説明しています。

解体・改修工事の石綿対策のよくある質問

小さな改修工事でも、石綿の事前調査は必要ですか?

必要です。解体・改修工事では、規模の大小にかかわらず、工事の前に石綿の有無を調べます。

事前調査は、だれが行いますか?

建築物の場合は、令和5年10月から、建築物石綿含有建材調査者講習の修了者などの有資格者が行います。

事前調査の結果は、どこに報告しますか?

一定規模以上の工事は、石綿事前調査結果報告システムで報告します。元請業者が協力会社の分もまとめて報告します。

報告が必要になる工事の規模は?

建築物の解体工事は解体部分の延べ床面積80㎡以上、建築物の改修工事は請負金額100万円以上です。

石綿がなかった場合も、掲示は必要ですか?

必要です。事前調査の結果の掲示は、石綿の有無にかかわらず、すべての解体等工事で必要です。

石綿の除去作業の届出は、いつまでですか?

大気汚染防止法の届出は、作業開始の14日前までに、発注者が都道府県知事に届け出ます。

発注者に、何か義務はありますか?

あります。調査の費用を適正に負担するなどして、元請業者の事前調査に協力する必要があります。

石綿の手続のほかに、許可は要りますか?

1件500万円以上の解体工事には解体工事業などの建設業許可、500万円未満なら許可か解体工事業登録が必要です。

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このページの監修者

氏名岡 高志(おか たかし)
資格行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第11080007号)
登録の確認登録番号は日本行政書士会連合会の会員検索で照合できます
事務所岡高志行政書士事務所(2011年開業)
制度情報の時点2026年10月時点の法令・手引きに基づきます
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