建設業を営んでいますと、廃棄物収集運搬業などの営業許可を取得する必要に迫られるときもあります。
そこで、申請手続について解説します。
産廃業いろは【申請手続】廃棄物収集運搬業の許可申請
産業廃棄物処理業の許可とは
産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
(廃棄物処理法第14条)
許可期間は5年
(廃棄物処理法第14条第2項)
申請の流れ
申請の流れ(「積替え保管を除く許可」の場合)
講習受講
↓
申請日の予約
(申請日は 1~2か月以上先になることもあります。)
↓
申請
↓
審査
↓
許可
(許可証は郵送で受け取ることができます)
審査期間は原則、申請書受理後60日以内とされています。
積替え保管を含む申請の場合は、申請前に事前計画書の提出が必要となります。
申請に必要な書類(法人の場合)
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 変更事項確認書(新規許可申請の場合は提出不要)
- 新旧役員等対照表(新規許可申請の場合は提出不要)
- 事業計画の概要
- 運搬車両の写真
- 運搬容器等の写真
- 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法
- 誓約書
- 定款の写し
- 履歴事項全部証明書(6か月以内のもの、5%以上の法人株主のものも)
- 住民票抄本(本籍が記載されたもの)
(役員等(監査役・相談役・顧問を含む。)5%以上の個人株主、政令使用人) - 成年被後見人等に該当しない旨の登記事項証明書等
(役員等(監査役・相談役・顧問を含む。)5%以上の個人株主、政令使用人) - 既存の許可証の写し
- 貸借対照表(直近3年分)
- 損益計算書(直近3年分)
- 株主資本等変動計算書(直近3年分)
- 個別注記表(直近3年分)
- 法人税の納税証明書「その1 納税額等証明用」
- 講習会修了証の写し
- 自動車検査証の写し(使用する全車両)
- 船舶の使用権原を証明する書類(使用する全船舶)
更新許可申請と変更許可申請、産業廃棄物収集運搬業許可申請と特別管理産業廃棄物収集運
搬業許可申請等、複数の申請を同時に行う場合には、一方の申請書については、一部書類の添付を省略することができます。
財産能力
申請にあたって財産能力が求められます。
直近の法人税の納税額が 1 円以上かつ直近の 3 年間に未納税額がないこと。
そうでない場合は、直近の決算期において債務超過でないこと。
以上の財産能力が満たされない場合、
経理的基礎を有することの説明書、
又は
返済不要な負債の額及びその負債が返済不要であることが分かる書類
が必要になります。
産業廃棄物収集運搬業許可申請書の記載事項
取り扱う廃棄物の種類を選択します。
(多くてもいいのですが、事業計画が必要です。)
1 燃え殻 2 汚泥 3 廃油 4 廃酸 5 廃アルカリ6 廃プラスチック類 7 紙くず 8 木くず 9 繊維くず 10 動植物性残さ 11 動物系固形不要物 12 ゴムくず 13 金属くず 14 ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず 15 鉱さい 16 がれき類 17 動物のふん尿 18 動物の死体 19 ばいじん 20 政令第13号廃棄物
石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨も含む。
事業計画の概要
事業の全体計画
記入例
主に、東京都内の建設現場から排出される建設系廃棄物、食料品製造業者から排出される動植物性残さ、畜産農業者から排出される動物のふん尿を収集し、排出事業者が指定する処理施設へ運搬する。
取り扱う産業廃棄物の種類及び運搬量等
産業廃棄物の種類、月間運搬量、性状、予定排出事業場の名称及び所在地、積替え又は保管を行う場合には積替え又は保管を行う場所の所在地、予定運搬先の名称及び所在地
事務所、駐車場
積替施設又は保管施設の概要
構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該施設の付近
の見取り図を添付すること。
収集運搬業務の具体的な計画
車両毎の用途、収集運搬業務を行う時間、休業日及び従業員数、従業員数の内訳、など
環境保全措置の概要
記入例
- 車両の荷台に直置きする場合は飛散防止のためシートがけを行う。
- 「事業計画の概要」第2面に記載する運搬容器は、転倒防止措置としてロープで荷台に固定して運搬する。
- 石綿含有産業廃棄物は他の廃棄物と混ざらないようにフレコンバッグに入れて運搬する。
- 水銀使用製品産業廃棄物(廃蛍光ランプ)は、他の廃棄物と混ざらないようにプラスチック容器に入れ、また、破砕することのないようにプラスチック容器の中に緩衝材を入れて運搬する。
運搬車両の写真
車両の前面(真正面からナンバープレートが分かるように)及び側面(真横から車両全体が分かるように)を撮影してください。
名称等の車体の表示が確認できるように撮影してください。
船舶の場合は、船舶の全体及び船舶名が確認できるように撮影してください。
既に許可を有している場合には所定の事項(「産業廃棄物収集運搬車」、「会社名(事業者名)」、「許可番号」)が表示されていること。
車体の表示が読み取れない場合には、表示部分を拡大した写真も添付すること。
(継続車両・船舶の写真は不要)
運搬容器等の写真
申請者が実際に所有しているものを撮影してください。パンフレットやホームページ
上の写真は不可です。
容器等の全体が分かるように撮影してください。
容器等 1 種類につき 1 枚撮影してください。
オープンドラムは、留め金具及び蓋とともに撮影してください。
(更新許可申請の場合は提出不要)