2021年に開催された2020東京オリンピックの談合事件は、雲の上のような出来事と感じていましたが、 指名停止 / 発注停止 という処分が現実的なビジネスにも影響を与えています。
東京オリンピックの談合の独禁法違反
指名停止
国土交通省関東地方整備局は、2023年3月6日付で、全6社に対して、指名停止措置を行いました。
当該業者らは、公正取引委員会により、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(「組織委員会」)が発注する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関するテストイベント計画立案等業務委託契約等の入札談合事件について、独占禁止法に違反する犯罪があったと思料され、同法第74条第1項の規定に基づき、2023年2月28日、検事総長に告発され、同日、東京地方検察庁特別捜査部に起訴された。
有資格業者である当該業者らが独占禁止法違反容疑で逮捕又は起訴されたことは、「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」および「地方整備局(港湾空港関係)所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」別表第2第5号(独占禁止法違反行為)及び別表第2第15号(不正又は不誠実な行為)に該当します。
- 株式会社電通
- 株式会社フジクリエイティブコーポレーション
- 株式会社セレスポ
- 株式会社博報堂
- 株式会社東急エージェンシー
- 株式会社セイムトゥー
詳細は:国土交通省関東地方整備局サイト
ほかの政府機関、自治体でも同様の措置がとられます。
大手広告代理店が公共事業から当面の間、排除されることとなります。
参考記事:指名停止になると ?談合による入札 指名停止 処分
発注停止
経済産業省は、2023年3月6日付で、補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置を実施。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が行ったテストイベントの計画立案業務などの入札において、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に違反したとして、同法第74条第1項の規定に基づき、2023年2月28日、株式会社電通グループ等6社が公正取引委員会により刑事告発され、同日、東京地方検察庁により起訴された。
これを受けて、以下の事業者に対して「経済産業省所管補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置要領」第3条第1項に基づき、下記のとおり補助金交付等停止措置及び指名停止等措置をを実施。
東京オリンピック談合企業は、入札に参加できないだけでなく、民間企業の補助金を活用した発注も受けられません。
補助金対象経費に関して、処分対象事業者への新規発注契約はできません。発注された場合、当該経費について補助金の受給ができません。
ただし、補助金等交付停止期間及び指名停止期間前の発注契約については問題ありません。
詳細は:経済産業省サイト
指名停止 企業一覧
経済産業省サイト による、指名停止企業一覧。
みるとNTT西日本のようなビッグネームもあります。広島学校用コンピューター機器の談合事件 が尾を引いているようです。(日付は、指名停止期間)
- 北辰映電株式会社 1月30日~4月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社新星工業社 1月30日~7月29日広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社ハイエレコン 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社大塚商会 1月30日~3月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社立芝 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 中外テクノス株式会社 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社ソルコム 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 西日本電信電話株式会社 1月30日~3月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 理研産業株式会社 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- Dynabook株式会社 1月30日~7月29日 広島学校用コンピューター機器の談合事件
- 株式会社電通 2月15日~11月14日 東京オリンピック談合
- 株式会社セレスポ 2月15日~11月14日 東京オリンピック談合
- 株式会社フジクリエイティブコーポレーション 2月15日~11月14日 東京オリンピックの談合
- 株式会社博報堂 3月6日~12月5日 東京オリンピックの談合
- 株式会社東急エージェンシー 3月6日~12月5日 東京オリンピックの談合
- 株式会社セイムトゥー 3月6日~12月5日 東京オリンピックの談合
- 株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ 3月6日~12月5日 東京オリンピックの談合
- 株式会社KADOKAWA 3月6日~12月5日 東京オリンピックの談合
- 株式会社大広 3月6日~9月5日 東京オリンピックの談合
広島 学校用コンピューター機器の談合事件
広島県および広島市では、学校に導入するパソコンをめぐって談合事件がありました。
広島県内の学校で使うおよそ3万台のパソコンの入札で談合を繰り返したとして、公正取引委員会はNTT西日本など11社に対し、再発防止を求める排除措置命令を出しました。
排除措置命令を受けたのは、▼大阪市に本社がある「NTT西日本」や▼東京・千代田区に本社がある「大塚商会」など11社です。公正取引委員会はおととし10月に各社に立ち入り検査を行うなど調査を進め、6日、結果を発表しました。
それによりますと、この11社は広島県と広島市が発注した、学校で生徒や教職員が使うパソコンなどの入札をめぐり、遅くとも2016年以降、落札する業者を決める談合を繰り返していたということです。
談合が認定されたのは、パソコンおよそ3万台、サーバーおよそ200台を調達する、合わせて58件の入札で、受注総額はおよそ65億円に上るということです。
公正取引委員会は、▼11社に対し再発防止を求める排除措置命令を出すとともに、▼このうち「大塚商会」など6社に対し、課徴金合わせておよそ5700万円の納付を命じました。
「NTT西日本」は、立ち入り検査が行われる前に、談合を行ったことを公正取引委員会に最初に自主申告していて、課徴金は免除されています。パソコンの基本ソフト「ウィンドウズ7」のサポートが2020年に終了することなどを踏まえ、広島県と広島市のほぼすべての公立学校で、パソコンの交換が行われたということです。公正取引委員会中国支所の道下正子支所長は、「情報教育が重要になる中、生徒が使用するパソコンで談合が行われたことは非常に残念だ。引き続き、入札談合など独占禁止法違反事件について厳正に対処していきたい」と話していました。
談合が全国的なビジネスへの影響をもたらすことがあります。
コンプライアンスをまもった事業展開が求められます。
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