建設工事 工事代金支払条件 などについて 8つの注意点

建設工事 は 契約金額が大きくなります。 工事代金支払条件 により 企業の倒産、現場作業員の生活などに強い影響を受けます。建設工事請負契約の適正化において、代金支払いの適正も求められます。

建設業界の下請契約においては、元請負人の経済事情等を理由にして、注文者から支払われた工事代金を下請負人への支払にあてることなく他に転用するなどして、支払を保留し、下請負人を不当に圧迫するような不公正な取引が行なわれることがありました。そこで、建設業法は、不公正な取引を排除するための法規制をしています。

建設工事 工事代金支払条件 注意点

    1. 下請工事に必要な資材を注文者が有償支給した場合は、正当な理由がある場合を除き、当該資材の代金を下請代金の支払期日前に支払わせてはならない。
    2. 下請工事の完成を確認するための検査は、工事完成の通知を受けた日から20日以内に行
      建設工事代金 支払い フロー

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      い、かつ、検査後に、下請負人が引渡しを申し出たときは、直ちに工事目的物の引渡しを受けなければならない。

    3. 注文者から請負代金の出来高払または竣工払を受けたときは、その支払いの対象となった工事を施工した下請負人に対して、相当する下請代金を1か月以内に支払わなければならない。
    4. 元請負人は、下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。
    5. 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
    6. 特定建設業者 は下請負人(特定建設業者は除く)からの引渡し申出日から起算して50日以内に下請代金を支払わなければならない。
    7. 特定建設業者 は下請代金の支払を一般の金融機関による割引を受けることが困難な手形により行ってはならない。手形期間は120日以内とすること。
    8. 赤伝処理を行う場合には、元請負人・下請負人双方の協議・合意が必要。元請負人は、その内容や差引額の算定根拠を見積条件や契約書に明示しなければならない。
      赤伝処理 元請負人が以下の費用を下請代金の支払時に差引く行為のこと。
      ① 一方的に提供・貸与した安全衛生保護具などの費用
      ② 下請代金の支払に関して発生する諸費用(下請代金の振り込み手数料等)
      ③ 下請工事の施工に伴い、副次的に発生する建設廃棄物の処理費用
      ④ 上記以外の諸費用(駐車場代、弁当ごみ等のごみ処理費用、安全協力会費等)
    9. 建設業者は営業所ごとに帳簿を備付け、5年間保存しなければならない。
      (住宅工事の元請は10年間、元請は施工体系図を10年間保存)
      帳簿記載事項・帳簿添付書類は下記参照
    10. 独占禁止法や社会保険・労働保険についても遵守しなければならない。

 

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帳簿記載事項

(建設業法施行規則 第26条1項)

  • 営業所の代表者の氏名及びその者が当該営業所の代表者となつた年月日
  • 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する次に掲げる事項
    イ 請け負った建設工事の名称及び工事現場の所在地
    ロ イの建設工事について注文者と請負契約を締結した年月日、当該注文者の商号、名称又は氏名及び住所並びに当該注文者が建設業者であるときは、その者の許可番号
    ハ イの建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日及び当該建設工事の目的物の引渡しをした年月日
  • 発注者と締結した住宅を新築する建設工事の請負契約に関する次に掲げる事項
    イ 当該住宅の床面積
    ロ 当該住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律施行令第三条第一項の建設新築住宅であるときは、同項の書面に記載された二以上の建設業者それぞれの建設瑕疵かし負担割合の合計に対する当該建設業者の建設瑕疵かし負担割合の割合
    ハ 当該住宅について、住宅瑕疵かし担保責任保険法人と住宅建設瑕疵かし担保責任保険契約を締結し、保険証券又はこれに代わるべき書面を発注者に交付しているときは、当該住宅瑕疵かし担保責任保険法人の名称
  • 下請負人と締結した建設工事の下請契約に関する次に掲げる事項
    イ 下請負人に請け負わせた建設工事の名称及び工事現場の所在地
    ロ イの建設工事について下請負人と下請契約を締結した年月日、当該下請負人の商号又は名称及び住所並びに当該下請負人が建設業者であるときは、その者の許可番号
    ハ イの建設工事の完成を確認するための検査を完了した年月日及び当該建設工事の目的物の引渡しを受けた年月日
    ニ ロの下請契約が法第二十四条の六第一項に規定する下請契約であるときは、当該下請契約に関する次に掲げる事項
    (1) 支払った下請代金の額、支払った年月日及び支払手段
    (2) 下請代金の全部又は一部の支払につき手形を交付したときは、その手形の金額、手形を交付した年月日及び手形の満期
    (3) 下請代金の一部を支払ったときは、その後の下請代金の残額
    (4) 遅延利息を支払ったときは、その遅延利息の額及び遅延利息を支払つた年月日

帳簿添付書類

(建設業法施行規則 第26条2項)

  • 請負契約書又はその写し
  • 下請契約であるときは、当該下請代金の領収証又はその写し
  • 施工体制台帳を作成しなければならないときは、当該施工体制台帳のうち次に掲げる事項が記載された部分
    イ 主任技術者又は監理技術者の氏名及びその有する主任技術者資格又は監理技術者資格、監理技術者補佐を置くときは、その者の氏名及びその者が有する監理技術者補佐資格並びに第十四条の二第一項第二号トに規定する者を置くときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその者が有する主任技術者資格
    ロ 当該建設工事の下請負人の商号又は名称及び当該下請負人が建設業者であるときは、その者の許可番号
    ハ ロの下請負人が請け負つた建設工事の内容及び工期
    ニ ロの下請負人が置いた主任技術者の氏名及びその有する主任技術者資格並びにロの下請負人が第十四条の二第一項第四号ヘに規定する者を置くときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格

2020年10月からの建設業法改正

建設業法改正の施行により、下請代金のうち労務費負担は現金払い(振込含む)が求められるので注意が必要です。

適正な建設工事請負契約が締結・履行されるように注意が必要です。建設業界にとってコンプライアンス(法令遵守)は極めて重要です。

建設工事 工事代金支払条件 など コンプライアンス 対策

建設工事 工事代金支払条件 など、コンプライアンス強化するには、常日頃専門家である行政書士と付き合っておくことが必要なのではないでしょうか。まずは、 決算変更届 など例年の手続を行政書士事務所に任せてみませんか。

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建設工事 工事代金支払条件

建設工事 工事代金支払条件

参考記事:建設業許可が必要でない建設業者

岡高志行政書士事務所

この記事を書いた人
岡高志(行政書士)

東京大学法学部卒業。東京大学大学院工学研究科都市工学専攻修了。46歳。
2011年行政書士登録。岡高志行政書士事務所開業。
大学卒業後、大手銀行、証券会社、外資系投資会社にて金融・開発投資の第一線で活躍。東京都・大田区議会議員として、地方自治の現場で課題解決を行うとともに、政界でのネットワークも構築。
行政書士として、多方面に秀でており、遺言・相続・会社設立・建設業・宅建業のセミナーを開催。行政書士ブロガーで多方面で発信するとともに記事監修も行っている。著書「決定版 選挙・立候補マニュアル: 選挙活動の基礎からSNS活用法まで」(世論時報社)、「遺言書作成と相続対策のすべて (行政書士がかんたん解説!)」(世論時報社)

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