防水工事業は、アスファルト・モルタル・シーリング材などで防水を行う工事の業種で、対象は建築系の防水工事だけです。1件の請負代金が500万円以上(消費税込み)の防水工事を請け負うには、防水工事業の建設業許可が必要です。営業所技術者になる主な方法は、建築施工管理技士・防水施工の技能士などの資格か、10年以上の実務経験です。トンネル防水など土木系の防水は、とび・土工工事になります。
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防水工事業とは
防水工事業は、建設業許可の29業種のひとつで、建物の防水工事を請け負う業種です。許可の略号は「防」です。指定建設業ではないため、特定建設業許可でも実務経験の道が残っています。中身を、次の表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建設工事の内容 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事(建築系の防水のみ) |
| 工事の例 | アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事 |
| 許可の略号 | 防 |
| 指定建設業か | 指定建設業ではない |
工事の内容と例は、国の区分と東京都の手引によります(国土交通省:業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方、東京都:建設業許可申請・変更の手引(令和8年度)P4)。指定建設業の7業種は、建設業法施行令第5条の2で決まっています(e-Gov法令検索:建設業法施行令)。
防水工事業と間違えやすい業種との違い
防水の工事でも、土木の防水は別の業種です。防水モルタルは2つの業種で施工できます。国の区分の考え方を、次の表にまとめます。
| 工事の内容 | 該当する業種 | 考え方 |
|---|---|---|
| 建物の屋上・外壁などの建築系の防水 | 防水工事 | 防水工事は建築系の防水のみ |
| トンネル防水など土木系の防水 | とび・土工・コンクリート工事 | 防水工事ではない |
| 防水モルタルを用いた防水工事 | 防水工事、左官工事 | どちらの業種の許可でも施工できる |
| シーリング工事 | 防水工事 | 防水工事の例示に入っている |
根拠は、国土交通省の区分の考え方と東京都の手引です(国土交通省:業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方、手引P2〜4)。許可を受けた業種の工事に附帯する他の業種の工事(附帯工事)は、あわせて請け負うことができます(建設業法第4条。e-Gov法令検索:建設業法)。
防水工事業の営業所技術者になれる資格
防水工事業の営業所技術者(旧:専任技術者)には、次の資格の人がなれます。特定建設業の許可でそのまま使えるのは、1級建築施工管理技士です。土木・造園の施工管理技士や第一次検定の合格者は、合格後の実務経験と組み合わせて使えます。
| 資格 | 一般建設業 | 特定建設業 |
|---|---|---|
| 1級建築施工管理技士 | ○ | ○ |
| 2級建築施工管理技士(仕上げ) | ○ | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
| 1級土木施工管理技士、1級造園施工管理技士、1級の第一次検定(土木・建築・造園施工管理)の合格者 | 合格後、防水工事の実務経験3年以上 | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
| 2級土木施工管理技士、2級造園施工管理技士、2級建築施工管理技士(建築・躯体)、2級の第一次検定(土木・建築・造園施工管理)の合格者 | 合格後、防水工事の実務経験5年以上 | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
| 技能検定1級(防水施工) | ○ | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
| 技能検定2級(防水施工) | 合格後、防水工事の実務経験3年以上 | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
| 登録防水基幹技能者、登録外壁仕上基幹技能者 | 講習修了証に、防水工事業で主任技術者の要件を満たすと記載があるもの | △(指導監督的実務経験2年以上で可) |
資格の一覧は、建設業法施行規則第7条の3と東京都の手引の資格表によります(e-Gov法令検索:建設業法施行規則、東京都:建設業許可申請・変更の手引(令和8年度)P78〜80)。技能検定2級は、平成16年3月31日以前の合格者なら、合格後1年の実務経験で足ります(手引P78)。特定建設業の欄の「△」は、その資格だけでは足りないものの、実務経験を加えれば特定営業所技術者になれることを示します。必要なのは、元請としてこの業種の請負代金4,500万円以上の工事で、2年以上の指導監督的な実務経験です(e-Gov法令検索:建設業法第15条第2号ロ、e-Gov法令検索:建設業法施行令第5条の3)。
実務経験で防水工事業の営業所技術者になる場合
資格がなくても、防水工事の実務経験で営業所技術者になれます。必要な年数は、学歴や技術検定の合格によって短くなります。
| 学歴・合格した検定 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学・高等専門学校の指定学科を卒業 | 卒業後3年以上 |
| 高等学校の指定学科を卒業 | 卒業後5年以上 |
| 土木・建築・造園施工管理の1級の第一次検定に合格 | 合格後3年以上 |
| 土木・建築・造園施工管理の2級の第一次検定に合格 | 合格後5年以上 |
| 上記以外 | 10年以上 |
年数は建設業法第7条第2号と建設業法施行規則第7条の3によります(e-Gov法令検索:建設業法、e-Gov法令検索:建設業法施行規則)。第一次検定の合格者の扱いは、令和5年7月から始まりました。合格発表の日以降の実務経験を数えます(手引P82)。防水工事業の指定学科は、次のとおりです。
| 業種 | 指定学科 |
|---|---|
| 防水工事業 | 土木工学に関する学科、建築学に関する学科 |
指定学科は、建設業法施行規則第1条の表で決まっています。学科名が違う場合は、卒業証明書と履修証明書を持って窓口で相談できます。東京都では、判定に2週間から1か月ほどかかります(手引P77)。
建築一式工事の経験がある人は、実務経験の振替えも使えます。合わせて12年以上の実務経験のうち、防水工事の経験が8年を超えれば足ります(建設業法施行規則第7条の3、手引P66)。
| 振替えの組合せ | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 建築一式工事 → 防水工事 | 合計12年以上、うち防水工事が8年超 |
許可がなかった期間の実務経験は、工事の契約書・注文書・請求書などと、入金を確かめられる資料で証明します(手引P67)。請求書で証明するときは、原則として1か月に1件で1か月分と数えます。件名や内訳書から、防水工事だと明確に分かることが必要です(手引P69)。
防水工事業で特定建設業許可を取る場合
元請として受けた工事で、下請に出す代金の合計が5,000万円以上になる場合は、特定建設業許可が必要です。防水工事業は指定建設業ではないので、1級資格がなくても道があります。一般建設業の要件に加えて、指導監督的実務経験が2年以上あれば、特定営業所技術者になれます。
| 特定営業所技術者になる方法 | 必要なもの |
|---|---|
| 1級資格 | 1級建築施工管理技士 |
| 指導監督的実務経験 | 一般建設業の営業所技術者の要件+元請として請け負った4,500万円以上(消費税込み)の防水工事で、2年以上の指導監督的な実務経験 |
| 大臣の認定 | 国土交通大臣が同等以上と認定した人 |
根拠は建設業法第15条第2号と、建設業法施行令第2条・第5条の3です(e-Gov法令検索:建設業法、e-Gov法令検索:建設業法施行令)。指導監督的実務経験は、元請の工事に限られ、下請の経験は数えません。工期の合計が2年(24か月)以上必要です(手引P68)。
防水工事業の許可のそのほかの要件
営業所技術者のほかに、4つの要件があります。経営業務の管理を適正に行う体制(常勤役員等)と、財産的基礎です。一般建設業では、自己資本500万円以上か、500万円以上の資金を調達できることが目安です。請負契約に関して不誠実でないこと、欠格要件に当たらないことも必要です。要件の全体は、建設業許可の総合ガイドでまとめています。
要件を満たしているか、書類がそろうか確かめたい方へ
行政書士 岡高志が育てたAIが、24時間いつでも無料で、要件の確認や費用の見積り、必要書類のご案内をします。そのままご依頼の相談もできます。
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防水工事業の許可申請の費用
東京都知事許可(一般)の新規申請を当事務所にご依頼いただく場合、費用は合計240,000円〜です。内訳は、行政書士報酬150,000円〜(消費税別)と、東京都に納める申請手数料90,000円です。業種追加・更新・特定建設業許可の料金は、料金表をご覧ください。
防水工事業の業界団体
業界の動向を知るには、業界団体の情報が役に立ちます。防水工事業に関係する主な団体です。
防水工事業と関連する業種
建設業許可の29業種の全体は、建設業許可の29業種の一覧で確認できます。防水工事業と区別が問題になりやすい業種の記事です。
- とび・土工工事業(トンネル防水など土木系の防水)
- 左官工事業(防水モルタルの防水工事はどちらでも施工できる)
- 塗装工事業(塗料・塗材の工事)
- 建築工事業(建築一式工事)(建物を一式で請け負う場合。振替えができる)
防水工事業の許可のよくある質問
屋上防水の改修は、許可が必要ですか?
1件の請負代金が500万円以上(消費税込み)なら、防水工事業の許可が必要です。500万円未満なら、許可はいりません。
トンネルの防水工事は、防水工事ですか?
トンネル防水など土木系の防水工事は、とび・土工・コンクリート工事です。防水工事業の対象は、建築系の防水工事だけです。
防水モルタルの工事は、左官と防水のどちらの許可が必要ですか?
防水モルタルを用いた防水工事は、防水工事業と左官工事業のどちらの許可でも施工できます。
防水施工の技能士で、営業所技術者になれますか?
1級の防水施工技能士なら、実務経験なしでなれます。2級の場合は、合格後に防水工事の実務経験が3年以上必要です。
1級土木施工管理技士で、防水工事業の営業所技術者になれますか?
合格後に、防水工事の実務経験が3年以上あればなれます。1級建築施工管理技士なら、実務経験なしでなれます。
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このページの監修者
| 氏名 | 岡 高志(おか たかし) |
|---|---|
| 資格 | 行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第11080007号) |
| 登録の確認 | 登録番号は日本行政書士会連合会の会員検索で照合できます |
| 事務所 | 岡高志行政書士事務所(2011年開業) |
| 制度情報の時点 | 2026年10月時点の法令・手引きに基づきます |
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